昆虫ベンチャーの仏Ynsectが会社更生法の適用を申請した。会社側が24日に発表した。
Ynsectは2011年に設立。これまでに合計で6億ドルの資金調達を実施した。昆虫を培養し、たんぱく質を飼料等として商品化するビジネスモデルを採用。現在はドール市(ジュラ県)近郊とアミアン市(ソム県)近郊に2ヵ所の工場を保有している。しかし、資金繰りに困難が生じ、去る9月末に6ヵ月の期限で民事再生手続きの適用下に入った。同社は事業を継続しつつ、出資・買収を希望する投資家を募ったが、これが2月半ばに不調に終わり、3月末までに不渡りが出るのが不可避になった。資産の分割売却を含めた解決策を可能にする目的で、民事再生手続きを会社更生法の適用に切り替えるよう裁判所に申請を行ったという。
同社はアミアン市近郊に巨大工場を完成させるべく投資を進めており、それには1億3000万ユーロが必要だったという。昆虫ベンチャーはこのところ逆風で、仏同業Agronutrisも去る1月末に民事再生手続きの適用下に入った。これまで潤沢に資金を確保できたが、風向きが変わり、資金調達が苦しくなったことが背景にある。