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仏化学業連合会、関税戦争に伴う米中の化学品流入を懸念

仏化学業連合会フランス・シミーはこのほど、関税戦争の影響に関する予測を公表した。フランスと欧州の当局に対して警戒を呼びかけた。

同団体によると、米中が相互に高い関税を設定したことで、販路を失った両国の化学品が安値で欧州に大量流入する可能性がある。その規模は総額で150億-300億ユーロに上る。うち、中国製品は100億-200億ユーロ、米国製品は50億-100億ユーロに上る。ちなみに、中国は米国に390億ユーロ相当を輸出してきたが、米国は145%の関税をかけることを決めた。米国は中国に220億ユーロ相当を輸出してきたが、これには125%の関税導入が決まっている。

中国は世界の化学品生産の50%を占めている。2023年の9.6%増に続き、2024年にも9.1%増を記録した。これに対して欧州では回復にばらつきがあり、2024年にドイツでは3.1%増、スペインでは3.2%増を記録したが、フランスでは、製薬業向けのファインケミカルを除くと、0.3%の生産減を記録。価額では5%減の1020億ユーロと、後退が続いている。

フランス・シミーは、このままだと、フランスだけで47工場(直接雇用で1万5000-2万人に相当)、欧州全体では200-350工場(同15万-20万人)が閉鎖に追い込まれる恐れがあると警告した。

KSM News and Research