高級ブランドの仏大手ケリングは19日、傘下ブランドのバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターにピエールパオロ・ピッチョーリ氏を起用すると発表した。7月10日付で就任し、10月に初コレクションが発表される。
ケリングは旗艦ブランドの伊グッチのてこ入れを図る目的で、バレンシアガを指揮してきたクリエーターのデムナ氏をグッチのクリエイティブ・ディレクターに起用していた。その後任としてピッチョーリ氏の起用が決まった。
ピッチョーリ氏はローマ出身の57歳。フェンディでキャリアを開始し、次いで、ヴァレンティノで25年間に渡り勤務した。現在はディオールでクリエイティブ・ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリ氏の傍らで共同クリエイティブ・ディレクターを2008年から2016年にかけて務め、次いで2016年から2024年までは単独でディレクターを務めた。ケリングは、オートクチュール界で経験が深い人材を選んだ。前任者のデムナが若い世代へのアピールを通じてバレンシアガを立て直した後で、ピッチョーリ氏は、ブランドの基本と前任者の尖った部分は残しつつ、万人受けする穏やかなモードへと舵を切るとの見方もある。