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Qubit Pharmaceuticals、AI創薬ツールの運用・提供を開始へ

AI創薬の仏Qubit Pharmaceuticalsとパリ・ソルボンヌ大学はこのほど、分子挙動のモデル化・シミュレーションを迅速に実行できるAIツール「FeNNix-Bio1」の運用を開始した。大学関係の研究者らの自由な利用に提供する。5月末から提供を開始する。

Qubit Pharmaceuticalsはドラッグ・デリバリーなどの新技術開発をAIを利用して進めている。この分野では、グーグルのDeepMindが開発の「AlphaFold」が有名で、タンパク質の構造予測で多大な成果を挙げている。Qubitが開発の「FeNNix-Bio1」は、新薬候補の分子が体内の様々な環境においてどのような反応を示すかをシミュレート可能で、新薬開発の所要時間や費用を大幅に削減できる。同社によれば、費用は通常の20億ユーロを5億ユーロに圧縮が可能だといい、1年半かかった作業も1日で終わるという。新薬候補を多数、シミュレーションで検討することで、スクリーニングの過程を一挙に効率化できる。ソルボンヌ大学の協力を得て構築されたデータベースは、分子量の小さいタンパク質のデータを、アルゴリズムにより組み合わせることで、あらゆるタンパク質に関するシミュレーションを可能にするという方式を採用している。

Qubit Pharmaceuticalsは、仏政府の技術開発向け公的投資プログラム「フランス2030」の枠内で800万ユーロの資金供給を受けている。

KSM News and Research