フランス初のポジティブエネルギー地区として、5月23日にディジョン市のフォンテーヌドゥシュ地区のお披露目が行われた。同地区の住民は約1100人、面積は55ヘクタールほどで、公営低家賃住宅(HLM)が多い。2020年に、フィンランドのトゥルクと並んで、欧州連合(EU)の「レスポンス」プログラム(スマートシティ・プロジェクトの一つ)の実験都市に選ばれた。約650戸が地域自家消費スキームに登録した。
プロジェクトの予算は3600万ユーロ。住宅や学校やスポーツ施設の屋根に約1万平米程の太陽光パネルを設置し、総発電容量約2MWを確保。他方で、建物の断熱リフォームを実施し、センサーやスマートサーモスタットなど暖房の自動制御システムを導入して、住民に快適な室温を保証しつつ、最終的にエネルギー消費を38%削減した。また、地域暖房ネットワークの83%が再生可能エネルギーでまかなわれ、太陽光発電の余剰エネルギーはリサイクルされたEV用バッテリーと温水タンクに貯蔵してスマート管理する。さらに、高度なエネルギー管理システムが、リアルタイムで同地区の生産、貯蔵、消費を最適化する。