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マクロン大統領のベトナム公式訪問:総額90億ユーロの契約締結

マクロン大統領は5月25日、東南アジア諸国歴訪の最初の国であるベトナムに到着した。同国を国賓待遇にて公式訪問する。マクロン大統領がベトナムを公式訪問するのはこれが初めて。

大統領は26日には一連の契約締結を発表。その規模は推定で90億ユーロに上る。うち最大の契約は、ベトジェットエア社によるエアバスA330-900の購入契約で、20機の購入が決まった。総額規模は推定で70億ユーロに上る。このほか、仏海運大手CMA CGMによるハイフォン港の新ターミナル整備事業(6億ドル)で、CMA CGMは、190万TEUの取り扱い能力を2028年より確保し、同国における取り扱い能力を2倍に引き上げる。また、仏製薬大手サノフィはワクチン製造の現地工場の建設を決定。エアバスは地球監視衛星も受注した。

大統領府筋では、ボーイングが攻勢をかける中でエアバス機の大型受注が実現したのは訪問の成果であることを強調している。フランス側ではこのほか、ハノイとホーチミン市を結ぶ高速鉄道整備計画に食い込むことや、原子力発電計画への協力などに期待しており、今回の訪問をその足場にしたい考え。ベトナムは現在、中国と並ぶ重要な貿易相手国である米国のトランプ政権から、45%の相互関税導入を突き付けられており、フランスはベトナムの苦境に寄り添う姿勢を示して関係強化の実現を狙っている。原子力発電分野では、フランスは日立と結んで追い上げを図っているという。

マクロン大統領は27日にベトナム訪問を終えて、次の訪問先であるインドネシアに向かう。なお、大統領はベトナム到着の25日夜、専用機を出る時に背後にいたブリジット夫人に顔をはたかれるように見える映像がインターネット上で出回り、話題になった。大統領サイドは当初、この動画を偽情報だとしていたが、後に動画を本物と認めて、ふざけあっていたものだ、と説明したが、陰謀論を持ち出しての当初説明はいかにもばつの悪い印象を与えている。

KSM News and Research