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死に関する2法案、下院を通過

下院は27日、死に関する2法案を採択した。法案は今後、上院で審議される。

法案は、もとは政府が提出の1件の法案だったが、政府が下院で過半数を失い、審議が困難になったこともあり、2分割の上で議員立法法案の形で再提出された。「死ぬ助けを得る権利」を保障する法案と、ターミナルケア拡充に関する法案の2法案となり、27日には両方とも下院を通過した。ターミナルケア拡充法案は全会一致で採択されたが、「死ぬ助けを得る権利」法案の方は審議が紛糾した。各党とも投票を議員各自の判断に委ねて投票が行われた。その結果、賛成305、反対199、棄権57となり、明確な過半数にて採択がなされた。左派勢力が賛成多数、右派及び極右勢力が反対多数、マクロン大統領支持の中道右派陣営は賛成寄りという結果になった。

「死ぬ助けを得る権利」法案は、「安楽死」という言葉を使うのを避けつつ、治癒の見込みがなく、苦痛が厳しい末期患者が自ら死ぬことを医療が助ける上での法的枠組みを定めている。条件としてはさらに、フランス国籍を有するか、正規滞在の外国人であることと、自由に意志を表明できる状態であることが求められる。本人の請求を経て、医師と医療スタッフが協議した上で、医師が諾否の決定を下し、本人が選んだ条件にて、原則的に本人が自ら死に至る薬物を摂取する。本人が随時翻意する権利も保障される。

上院では、右派・中道が過半数を握ることから、法案の通過は微妙な情勢。

KSM News and Research