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ロッカー経由の書籍販売も送料無料は違法=オンブズマン判断

書籍調停人事務所は27日、書籍の無料配達禁止を定めた法令の適用に関する意見書を公表した。アマゾンの主張を退けて、ロッカー経由の配達を書籍について無料化するのは違法とする判断を下した。

書籍調停人事務所は、書籍小売価格規制に関するオンブズマン制度として2014年に設置された。今回の意見書は、2023年に施行された通称ダルコス法の適用に関してまとめられたもので、同法は、アマゾンのような大手を念頭に、実店舗の保護を目的として、送料を書籍について無料とすることを禁止する内容となっていた。具体的には、合計で35ユーロ未満の書籍購入について、最低3ユーロの配達料を徴収することを、プラットフォーム業者に義務付けている。

調停人事務所は、アマゾン以外でロッカー経由での受け渡しに送料無料サービスを適用している5業者(FNACダルティなど)から意見を聴取した上で、その違反の規模は小さく、いずれの業者も、この点でコンプライアンス達成を約束していると指摘。ロッカー経由であれば禁止の対象外になるとするアマゾンの主張を退けた。半面、取次所のカウンターにおける受け渡しについては、その取次所に書籍販売の実績がある限りにおいて、送料徴収の対象とはならないとの判断を示し、送料無料化を正当化した。

アマゾンはこの意見書について、法令の解釈に誤りがあると主張し、ロッカー経由の受け渡しにおける送料無料化を継続する構えを見せている。アマゾンはこの件で行政最高裁(コンセイユデタ)に提訴したが、1年前に、行政最高裁を通じて、欧州司法裁判所に判断が請求されており、結論がまだ出ていない。

KSM News and Research