社会党は6月6日未明、第一書記(党首)選挙の集計結果を発表した。フォール現第一書記が50.9%の得票率を達成して再選を決めた。メイエールロシニョル候補(ルーアン市市長)は49.1%で、僅差で勝利を果たした。正式な開票結果は6日中に公表される。今月13日から15日までナンシー市で開かれる第81回党大会でフォール第一書記が正式に再任される。
メイエールロシニョル候補は、フォール第一書記に敵対的な有力者らから支持を取り付けることに成功。「政権交代」を目指して決選投票に臨んだが、届かなかった。第1回投票で第3位となったバロー下院議員団団長は、個人的な選択として、フォール第一書記に投票すると発表しており、これがフォール候補にとって追い風になった可能性もある。ただ、第1回投票では、フォールとメイエールロシニョルの両候補が40%前後で並び、バロー候補が20%弱を獲得するという展開だったことから、決選投票の結果はかなり接近したものになったといえる。党内が二分されていることを浮き彫りにした。
ただし、実際には両候補の立場に大きな隔たりがあるとはいえない。フォール第一書記は、先の総選挙では左翼政党LFIとの協力を進めており、これをメイエールロシニョル候補は強く批判していたが、フォール第一書記も現在では、LFIと同党を率いるメランション氏抜きの左派勢力糾合を掲げている。2027年大統領選挙に向けて、フォール第一書記は、リュファン氏(LFIを離脱した有力者)からグリュックスマン氏(社会党も支持を与えた欧州議員)に至る左派勢力の「共同プラットフォーム」を構築するとの構想を掲げている。隔たりがあるのは、人選のやり方やキャスティングそのものにあり、メイエールロシニョル候補は、「大社会党」を志向して、グリュックスマン氏を取り込んだり、カズヌーブ元首相らを呼び戻すなどして政局の主導権を握り直すことを望んでいた。当面の課題は大統領選よりも2026年の統一市町村議会選にあり、地方ごとの「各論」の部分でフォール第一書記の方針に不満の勢力がメイエールロシニョル候補を担いでいたという事情もある。2026年の選挙で実績を残すことがフォール第一書記にとって必要条件となる。