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仏政府、公務員削減に言及

ロンバール経済相は9日、国営ラジオ局フランス・アンテールとのインタビューの中で、公務員数を削減する方針を明らかにした。具体的な規模や進め方については明らかにしなかった。

政府は準備中の2026年予算法案の枠内で400億ユーロの節減を計画している。公務員数の削減はその方法の一つになりうる。公務員数は2023年末時点で580万人に上っており、前年比で6万2000人の増加(1.1%増に相当)を記録していた。公立病院部門での増員が公務員数を押し上げた。2024年の公務員人件費は1070億ユーロに上り、前年比で6.7%増加している。公務員数削減はマクロン大統領が2017年の就任時に掲げた施策で、当時は5年間で12万人を削減する計画だったが、その2年後に発生した大規模な抗議行動(いわゆる「黄色蛍光ベスト」運動)を経て、計画が撤回されたという経緯がある。抵抗が強く、今回も実現は困難となる恐れがある。

これと関連して、経済紙レゼコーは10日付で、自由主義系シンクタンクIfrapの報告書の内容を報じた。この報告書は、2029年までに、各種特殊法人(大学を除く)の整理・統合と民営化を通じて、72億ユーロの節減が可能になるという内容。統廃合で33億ユーロ、民営化では40億ユーロ近くを財政赤字の削減に充当できるという。統廃合では人員数を1万1000人程度節減できるという。民営化では、ルーブル美術館を含めた大胆な民営化論が展開されている。

KSM News and Research