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ユーロスター、ロンドンと欧州諸国を結ぶ新路線への参入を準備

英仏海峡トンネル経由の高速鉄道を運行するユーロスターはこのほど、ロンドンからドイツやスイスまでを結ぶ路線の運行に乗り出す方針を明らかにした。2030年代の開業を目指す。

ユーロスターには仏国鉄SNCFが56%を出資している。ロンドン・パリ路線の創業事業のほかに、ロンドン・ブリュッセル路線、ロンドン・アムステルダム路線を運行している。アムステルダム路線は2018年に開業。それ以来では初めての新路線への進出となる。具体的には、ロンドン・フランクフルト、ロンドン・ジュネーブの新路線に加えて、アムステルダム・ブリュッセル方面からジュネーブ方面までを結ぶ路線に参入する。

気候変動への意識の高まりを背景に、鉄道は移動手段として見直されている。長距離高速鉄道の需要も高まっており、それを踏まえた新路線への参入となる。ロンドン・フランクフルト路線では、現在の乗り換えで6時間30分はかかるところを、5時間程度で連絡することを目指す。新車両の調達と、経由する各国における認証取得が必要になり、開業は2030年代初頭になる見通し。業界関係者によれば、規格など技術的な困難は無視できないという。ただ、英仏海峡トンネルを経由する路線への他社の参入を迎え撃つ立場のユーロスターとして、自らも欧州市場に進出することは不可避の課題でもある。 ユーロスターは2024年に20億ユーロの売上高を記録、前年比で2%の増収を達成した。EBITDAは3億4600万ユーロを確保した。輸送力の増強を図るため、現在、20億ユーロを投資して、最大50本の列車を調達する計画を進めている。

KSM News and Research