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ミストラルAI、自前のAIインフラを構築へ:エヌビディアのスーパーチップを採用

パリで開催中のイノベーション見本市「ビバテック」の機会を利用して、仏ミストラルAIは6月11日、AIコンピューティング向けインフラを整備し、クラウド方式で需要家に提供するサービス「ミストラル・コンピュート(Mistral Compute)」を開始すると発表した。エヌビディアのスーパーチップ「Grace Blackwell」を採用し、強力なインフラを構築する。エヌビディアのフアンCEO及びマクロン仏大統領の列席を得て発表された。

新インフラには1万8000個のGrace Blackwellが搭載される。チップは1個3万-7万ドルの価格で、それだけで10億ドルを超える費用がかかる。ミストラルAIのメンシュCEOは、総投資額を数十億ユーロと説明。インフラは欧州内に整備し、環境負荷を軽減する努力がなされるとした上で、戦略的自立性をフランスや欧州諸国に対して保障することを目指すと強調した。既に、BNPパリバ銀行、オレンジ(通信)、ヴェオリア(環境サービス)、タレス(防衛電子)、シュナイダーエレクトリック(電機)、仏国鉄SNCFなど大手企業や、民間AIラボのKyutaiから契約を獲得している。これまで、AIの技術開発を主眼に据えて事業を展開してきたミストラルAIにとって、自前のインフラ整備は初めてであり、AIの全側面をカバーできる企業となることを目指す。同社は過去2年間で合計10億ドルを調達したが、報道によれば、新たに10億ドルの追加調達を計画している。

KSM News and Research