特殊法人アジャンス・ビオがこのほど発表した集計によると、家計によるオーガニック食品消費(金額ベース)は2024年に122億ユーロとなり、前年比で0.8%、金額にして9500万ユーロ増加した。オーガニック食品は新型コロナウイルス危機やその後の物価上昇などの影響で不振が続いていたが、2024年には回復傾向を示した。ただ、市場規模は2019年には128億ユーロに達しており、それと比べてごく低い水準にとどまっている。
販売経路別では、専門店が6.5%増の35億ユーロを記録して回復を支えた。半面、量販店は5.1%減の58億ユーロと、後退が続いている。他方、生産者直販が7.4%増の16億4500万ユーロに達しており、著しい成長を示した(販売経路としては、ほかに市場や個人商店による販売がある)。量販店での販売不振は、価格への関心を強めた消費者の動向を反映して、店舗側が扱いを縮小していることがある。
製品別では、青果が9%増、ワインが8%増を記録し、成長を支えている。半面、食肉は6%減を記録。ノンアルコール飲料(果汁等)も5%減を記録した。 国内生産の後退が懸念材料として挙げられる。オーガニックの農地面積は2024年に5万6197ヘクタールの減少を記録。前年とほぼ同じペースで後退が続いた。オーガニックの農地面積は271万1000ヘクタール(全農地面積の10.1%)となった。この傾向は、スペインやイタリアなど近隣諸国とは逆行している。