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Colruytのフランス事業、ムスクテール(アンテルマルシェ)が買収へ

仏食品小売大手ムスクテール・グループ(アンテルマルシェ)は6月17日、ベルギー同業Colruytからフランス事業の大部分を買収する方向で独占交渉を開始したと発表した。東部及び中東部の81店舗とガソリンスタンド44ヵ所を2億1500万ユーロで買収する。競争当局など関連機関の許可を取得し、2026年前半に買収の完了を目指す。
大手のEルクレールを退けて独占交渉権を得た。Eルクレールは市場シェア24%でフランス最大手であり、これにカルフールが20.6%、ムスクテールが18.2%で続いている。シェアが頭打ちのEルクレールに対して、カルフールとムスクテールは追い上げている。買収による成長でも、後2社の優位が目立ち、王者のEルクレールは苦戦している。買収が実現すれば、ムスクテールは2028年にシェア20%達成との目標に向けて前進する。買収の効果でシェアは自動的に0.25ポイント上昇する。
Colruytは店舗平均面積が990平方メートルと比較的に小型で、ムスクテールは地理的に手薄だった東部・中東部の足場を固める。買収は手元資金で賄える規模だが、対象事業は直近年度に2000万ユーロ強の営業赤字を記録しており、立て直しが課題となる。Colruytのほうは、104店舗(従業員数2250人)の売却を計画していたが、ムスクテールによる買収は雇用だと1300人相当といい、同社は残りの店舗の売却先探しを継続する。

KSM News and Research