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ペルノ・リカール、再編を計画

仏酒造大手ペルノ・リカールが再編を計画している。6月18日になされた報道を会社側が認めた。
米中市場の困難を踏まえて、組織の簡素化を進めて迅速に対応できる体制作りを目指す。経営側は再編の方針を社内に提示。人員削減が伴うことを認めたが、その規模については明言せず、地域単位で行われる労使協議の手続きを経て決めると説明した。
再編計画は、現在の5部門制を、「ゴールド」と「クリスタル」の2部門にまとめることを柱とする。前者には、熟成が必要な酒が入る。コニャックのマーテル、ジェムソン・アイリッシュ・ウイスキー、スコッチウイスキーのシーバスリーガルやバランタイン、そしてシャンパーニュのペリエジュエとマム、などが統合される。後者には、熟成の必要がない蒸留酒をまとめる。ウォッカのアブソルート、ビーフィーター・ジン、ラムのハバナクラブ、パスティス(リキュール)のパスティス51やリカール、などが入る。再編は、2029年度までに10億ユーロの節減を達成する計画の一環で実施される。なお、リカールは去る7月にワイン事業の売却を決めている。
ペルノ・リカールは、同業各社と同様に、主力である中国及び米国市場で苦戦している。中国では、全般的な消費後退に加えて、当局が対欧州連合(EU)の制裁関税導入の方針を固めたことで、先行きが不透明になっている。米国市場でもトランプ関税の行方が懸念材料となっている。ペルノ・リカールは2025年度の業績目標を下方修正しており、現在は減収を見込んでいる。

KSM News and Research