学校の登校日数や1日の時間数などの問題を協議する「市民会議」が6月20日に開幕する。3日間かけて全体会議を行い、次いで7回の会合を開いて11月に作業結果を報告書にまとめる。
「市民会議」は政府の発案で招集された。マクロン政権下で、「気候変動」(2020年)と「生命の終わり」(2023年)に召集された実績があり、今回で3回目を迎えた。くじ引きで選ばれた130人の市民(19歳から83歳まで)により協議が行われる。労使代表や学識経験者などにより構成され、「第3の議会」とも呼ばれるCESE(経済社会環境評議会)が事務局の役割を果たし、会場も提供する。
就学日数や授業時間数の問題は長年の課題だが、賛否両論が激しく戦わされるのが常で、落としどころが見出されないまま現在に至っている。2ヵ月余りと長い夏季休暇に対して、1日の就業時間数は低学年の頃からかなり長く、子どもの生活のリズムに即しておらず、学習効果にとってマイナスだとする意見がある。マクロン大統領も以前からこの点を指摘して、改革に意欲を示してきた。ただ、夏季休暇を短縮するとなると、休暇旅行を神聖視する両親や家族が消極的だったり、観光業界が反発するなど反対論も多い。2013年には、水曜日に半日授業を行うという改革がなされたが、これも諸般の事情で評判が悪く、2017年には半数の自治体が週4日就学制に復帰したという前例がある。当事者らの様々な利害が絡みあい、妥協点を探るのが難しい課題であるだけに、会議の成果は期待薄ともみえるが、政府としては、国民の声を聞いて手を尽くしたというアピールができる利点があるのかもしれない。