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高速鉄道に参入を計画のProxima、ブランド名は「ベルベット」に

仏高速鉄道市場への参入を目指して発足した仏Proximaはこのほど、2028年に開業予定のサービスの名称を「ベルベット(Velvet)」に決めたと発表した。深緑色の機関車デザインをあわせて公表した。

同社は、パリ・モンパルナス駅発着の西部地方方面の高速鉄道(ボルドー、レンヌ、アンジェ、ナント方面)への参入を計画している。仏国鉄SNCF出身のピカール氏が同社を設立した。外国勢の仏高速鉄道市場への参入は既に実現しているが、フランスの民間企業による参入はこれが初めてとなる。

年内に運行枠を鉄道インフラ管理主体のSNCFレゾーに申請する。車両は、SNCFの次世代高速鉄道車両(TGV M)の姉妹バージョン「Avelia Horizon」を仏アルストムに12本発注した。数年次の保守契約を含めて契約総額は8億5000万ユーロに上るが、同社はそれに先立ち、10億ユーロの資金を確保している。TGV Mとして当局の認可を受けている機材だが、Proximaは自前で認可を取得する必要があり、それには5ヵ月以上はかかるという。2028年に予定する開業時には12本すべては揃わないが、すべてが揃うと年間1000万席分の輸送力が確保できる。インフラ使用料金は年間に2億ユーロ程度の負担になる見込みだという。同社は、既存のオファーが不十分で、輸送実績の15%程度に相当する潜在的な顧客の需要があり、このままだとこの割合は2030年には25%まで拡大すると指摘し、SNCFと共存可能なサービスとなることを強調している。

KSM News and Research