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BrainEver、シャルコー・マリー・トゥース病治療薬の治験開始に向けて資金調達

神経疾患の治療薬を開発する仏BrainEverはこのほど、3300万ユーロの資金調達を完了した。シャルコー・マリー・トゥース病の治療薬の治験を年内に開始する。

BrainEverは2015年に発足。これまでに2000万ユーロを調達した実績があり、今回が2回目の調達となった。今回の調達は、VCファンドのCritical Path VenturesとEIC(欧州イノベーション会議)が中心となって実現。従来株主のアクセラレーター等も引き受けた。さらに、患者や研究者などからクラウドファンディングにより確保した140万ユーロも調達額に含まれる。

シャルコー・マリー・トゥース病は、神経細胞の劣化により引き起こされ、運動機能の段階的な喪失を招く。BrainEverは、新たに発見したタンパク質「Engrailed-1」を患者に注入することにより、神経細胞の回復を促すという治療法を開発した。動物実験において成果が得られており、人を対象にした治験を、同疾患の研究が進んでいるオランダのユトレヒト大学において年内に開始することを目指している。成果が得られたら、早い段階で第II相以降の治験を進めることができるよう、欧州当局などに働きかける方針。

同社は従業員数が現在15人。向こう18ヵ月以内に人員数を2倍に増やす計画。量産のプロセスは開発済みで、スペインの提携先企業3PBiovianに生産を委託する算段を整えてある。治療薬が商品化されたら、権利を売却して得た資金で、今度はパーキンソン病の治療薬の開発を続けることを望んでいる。

KSM News and Research