大手銀行ソシエテジェネラルの本社等が6月末に捜索を受けた件で、当局は複数の大手企業を脱税の疑いで調査対象にしているという。仏経済紙レゼコーの報道によると、以前から脱税問題で当局ともめていたラクタリス(乳業)のほか、電機大手シュナイダー・エレクトリックや、食品小売大手カジノなどが捜査線上に浮かんでいる。
6月末には、ソシエテジェネラルのパリ副都心ラデファンス地区にある本社と、同行のルクセンブルク子会社が大がかりな捜索の対象となった。80人の捜査官が立ち入り調査を行った。この捜索は、金融犯罪全国管区検事局(PNF)が2024年1月に開始した調査の一環で行われた。ルクセンブルク子会社を舞台として、複雑な手法を用いて、仏当局に納付する租税を最小化する工夫が顧客企業に提供された疑いがあるという。特に、脱税を目的とする子会社を設置してそこに利益を集め、さらに人工的に債務を負わせることにより、納付すべき税金を帳消しにした疑いがもたれているらしい。
ラクタリスについては、2018年よりPNFの調査対象となっており、同社は去る12月に、4億7500万ユーロの支払いに応じて、税務当局との間では和解していた。PNFによる刑事事件での調査はまだ継続されている。ラクタリスの弁護士は、調査を経て、会社側に悪意はなく、取引は適法であることが判明するものと確信している、とコメントした。シュナイダー・エレクトリックについては、2008年から2018年にかけて、不透明な取引がなされていたことが問題視されているという。このほか、保険大手アクサも調査対象になっている模様だという。