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リブレAの利回り、8月1日に1.7%へ引き下げ

仏政府は7月16日、利息非課税の貯蓄口座であるリブレA及びLDDSの利回りを8月1日付で2.4%から1.7%に引き下げると発表した。両口座の利回りは毎年、2月1日と8月1日に改定されるが、規定により中銀が提案した改定幅を政府はそのまま採用した。0.7ポイントの引き下げは、2009年以来で最大幅となる。

リブレAとLDDSの預金資金は、その一部が政府系金融機関CDC(預金供託金庫)を通じて、住宅公団向けの建設融資など、各種の政策融資の形で運用されている。その利回り改定は、市中短期金利とインフレ率に依拠して自動的に算出された改定幅に基づいて中銀が提案するが、政府は独自の判断で改定幅を決めることができる。両口座の利回りは、インフレ高進を経て2022年に入り3回に渡り引き上げられ、過去最低だった0.5%から3%にまで上昇。物価の沈静化に伴い、2025年2月には5年ぶりの引き下げ(2.4%へ)がなされ、8月にも続いて引き下げが決まった。政府はこの引き下げを、政策融資の金利引き下げにつながる措置として正当化している。

景気刺激という観点からは、貯蓄口座の金利を引き下げることにより、個人消費の活性化が期待できる。リブレA資金の流出入は4月に2億ユーロの純流出を記録し、2009年以来で最大の純流出幅を記録したが、個人消費の活性化の効果は実現が遅れている。

なお、利息非課税の貯蓄口座のうち、開設に所得制限があるLEPの利回りも、8月1日付で3.5%から2.7%へ引き下げられることが決まった。こちらは、本来なら2.2%へ引き下げられるはずだったが、政府がより高めの水準を維持することを決めた。

KSM News and Research