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アルセロールミタル、ダンケルク拠点の高炉を再点火

鉄鋼大手アルセロールミタルは7月20日、北仏ダンケルク拠点において高炉の再点火に着手した。80日間に及ぶ改修工事を経て稼働を再開する。稼働再開には数日間がかかり、15日後に日量1万トンのフル稼働に復帰する予定。

アルセロールミタルは厳しい業況を背景に、国内で608人を削減する合理化に着手している。うちダンケルクでは、報道によると302人が削減される。従業員らが事業と雇用の先行きへの懸念を強める中での再点火となったが、予定していた14日よりも遅れての作業開始となり、従業員の経営側への不信感を高める結果となった。

改修工事は「HF4」と呼ばれる高炉1基を対象に行われた。高炉の耐用年数を5年間延長する目的で、関連装備の更新なども行われた。総額で2億5400万ユーロ(うち高炉本体が1億ユーロ)の投資で、燒結工程と転炉についても改修が行われた。改修工事期間中には950人が就労した。

アルセロールミタルのダンケルク拠点では、「HF4」を含めて2基の高炉がまだ残っている。同社では、直接還元鉄の生産に移行する計画を立てたが、こちらは計画が凍結されている。その一方で、12億ユーロを投資し、電気炉を導入する計画については維持したが、労組や地元の懸念は払しょくされていない。

KSM News and Research