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ダティ文化相、収賄容疑の起訴が決定:文化相は辞任を否定

司法当局は7月22日、ダティ文化相を起訴することを決定した。ダティ文化相は同日中に、辞任する可能性を否定し、検察官らが権利を踏みにじる不当な決定を下したなどと非難した。

ダティ文化相は2021年より、収賄等の容疑で予審(担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き)の開始対象となっていた。文化相は起訴決定を不服として異議申し立てを行っていたが、それが最高裁で却下されたのを受けて、正式な起訴決定に至った。裁判の日程は9月29日に決まる予定だが、ダティ文化相が出馬を予定するパリ市市議会選(2026年春)よりは後になる。

ダティ文化相は、2010年から2012年にかけて、自動車大手ルノーと顧問契約を結び、90万ユーロの報酬を受け取っていた。ダティ氏はこの頃に欧州議会議員を務めていた。ダティ氏がこの時に提供した役務については一切の痕跡がなく、司法当局は、ダティ氏が議員に禁止されているロビー活動を行い、偽装契約によりその報酬を得ていたと疑っている。この件では、事件当時にルノーを率いていたカルロス・ゴーン容疑者(レバノンに逃亡中)も起訴された。

ダティ文化相は共和党(保守)に所属し、マクロン政権はアタル内閣時代の2024年1月に文化相に迎えたという経緯がある。同相はそのまま現在まで留任している。マクロン派はダティ文化相を庇い続けており、今回の起訴でも、文化相留任の方針を大統領周辺は確認している。今回の起訴決定を経て、共和党側はダティ文化相外しの姿勢を強めるものと予想され、マクロン派内にくすぶるダティ文化相への不満も相まって、ダティ氏が得意技の威嚇でどこまで居座れるかが注目される。

KSM News and Research