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仏政府、観光振興のロードマップを提示

バイルー仏首相は7月24日、観光に関する省間委員会を召集し、観光政策のロードマップを示した。観光収入を2030年までに1000億ユーロまで引き上げることを目指す。

観光業は仏GDPの8%を占め、200万人を雇用、旅行収支は158億ユーロの黒字と、フランスの基幹産業の一つとなっている。昨年のインバウンド観光客は1億人に達し、世界首位だった。ただし観光収入では、パリ五輪が開催された昨年でも710億ユーロ(前年から8%増)と、世界4位にとどまっている。同時にオーバーツーリズムへの問題意識も拡大している。これらを受けてバイルー首相は、向こう5年でフランスを持続可能な観光大国とすることを目標に掲げ、ロードマップの中で以下の5つを優先事項とした。▽観光政策ツールの近代化、▽観光客誘致への2024年パリ五輪の影響力の活用、▽新規投資の呼び込み、▽環境重視で包摂的な観光の促進と業界のデジタル化、▽ビジネス観光、文化遺産観光、スポーツ観光、アグリツーリズム、ワイン観光などの新たな観光ビジネスの構築。

インバウンド消費の拡大に向けて政府は、富裕層の観光客が多い米国・中東・アジアでのプロモーションを強化する。また、近年激減している中国人観光客の呼び戻しに、グループ・ビザの取得手続きを簡略化する。国内の旅行業者向けには規格や行政手続きの簡素化を図り、雇用関連の規制緩和を進めて人材不足に対応する。さらに、投資を加速し、サービスの改善を求める観光客のニーズに応える。

KSM News and Research