フランスでは伝統的に、夏休みを巡って「7月派(ジュイエティスト)」と「8月派(アウシアン)」の争いがある。有給休暇を取る時期によって国民は2派に大別される。「7月派」には信念の人が多い。7月は多くの場合、夏とは名ばかりの寒々とした悪天の日が続き、しょぼしょぼと休暇を終えて仕事に戻るが、それでも悔いなし、というのが信念の人たる所以だった。近年は温暖化が進んで、7月にも夏本番というケースも増えて、「7月派」もそれほど頑固者ではなくなった気がする。とはいえ、今年の夏は、旧来の7月派にど真ん中の天候だった。7月後半の平均気温は平年を2度下回り、雨の日も多かった。そういえばこれがフランスの夏だったと思い出す。ただし、6月末から7月初頭にかけては2003年以来でこの季節としては最も暑い時期を迎えたばかりであり、全体的にみると温暖化の影響は鮮明だという。
8月派の日々が来て、急に太陽も戻ってくるらしい。6日から9日にかけては、南西地方を中心に、所により最高気温が40度に達する猛暑になる見込みという。天気予報によると、既に4日には、イベリア半島方面に熱波が到来し、スペインの南部のアンダルシア地方では45度に達するところも出る。仏国内の観光業は7月には低調だったというが、8月には挽回に期待をかけている。