EBA(欧州銀行監督局)は8月2日、銀行ストレステストの結果を発表した。2023年の調査時と比べて、欧州の大手銀行の強靭性は強化されていると評価した。
今回のテストは、17ヵ国の64銀行を対象に行われた。対象となった大手銀行は合計で、欧州連合(EU)における銀行資産の4分の3を占めている。3年間に渡り、厳しい景気後退、地政学的な緊張の高まり、関税引き上げが続くという条件下で、銀行の財務基盤がどのように推移するかの把握を試みた。このシナリオでは、3年間でユーロ圏のGDPが6.3%の減少を記録すると仮定されており、また原材料価格の高騰や貿易取引の大幅後退などが想定されている。
これによると、対象銀行に発生する損失額は合計で5470億ユーロとなり、前回テストを上回ったが、損失を吸収する十分な余力があると評価された。自己資本比率(CET1)は、2024年末時点の15.8%に対して、採用されたシナリオの下では12.1%まで低下する。2013年のテストでは、同比率は11.1%まで下がるとの結果になっており、それと比べて、欧州銀行の耐性は強化されたことになる。