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二酸化炭素の低温回収技術を開発の仏Revcoo、生石灰工場に試験導入

仏ベンチャー企業Revcooは、二酸化炭素の低温回収技術を開発し、生石灰工場に試験導入を行った。ルモンド紙が8月6日付で紹介する記事を掲載した。

試験施設は、建設大手エファージュの子会社Bocahutのオーリュー工場(北仏ノール県)に設置された。11メートルのタワーと、液体窒素タンク、そして回収二酸化炭素の貯蔵タンクからなる単純な構成のユニットで、2024年に稼働を開始した。現在は年間1000トンを回収しているが、これを2027年には1万トンに、さらに2030年には8万トンから10万トンにまで拡大し、同工場において発生する二酸化炭素のすべてを回収できるようにすることを目指す。

Revcooは2019年に発足。「CarbonCloud」と名付け、2件の特許を取得の技術を開発した。溶剤や水を必要とせず、工場の煙突から出る煙に液体窒素を噴霧することで低温反応により二酸化炭素を分離し、液化の上で回収する。電力を投入するのみでユニットは稼働し、構成要素も、圧縮機などいずれも市販のコンポーネントをそのまま用いることができ、導入費用を低めに抑えられる。生産工程を修正する必要がないのも利点となる。

Revcooの技術は、ドイツやイタリア、クロアチアのセメント工場や、スペインの焼却場などから引き合いがある。生石灰のオーリュー工場で商用運転に成功することで、契約獲得に弾みをつけることを望んでいる。同社は事業発展に向けて、年内に2000万ユーロの資金調達を行う計画。

KSM News and Research