欧州の「アリアン6」ロケットの打ち上げが仏領ギアナのクールー宇宙基地で8月12日の現地時間21時過ぎに予定通り行われた。アリアン6の打ち上げ成功はこれが3回目で、商業打ち上げは今年に入り2回目となった。
「アリアン6」ロケットは、フランスに本社を置くアリアンスペース社により打ち上げられる。今回は、気象衛星運営のEumetsat社の依頼で、地球観測衛星「MetOp」2基を搭載し、高度800kmの太陽同期軌道に投入するミッションを遂行した。同衛星は、Eumetsat社が欧州宇宙機関(ESA)と協力して開発し、エアバス・スペース社により建造された。天気予報の精度向上への貢献が期待されており、2032年と2039年にあと2回の打ち上げを予定する。
アリアン6は2024年7月に初めて打ち上げに成功。商業打ち上げは今年に入って始まったばかりだった。年内にあと4回の打ち上げを予定。アマゾンの衛星コンステレーション「カイパー」向けの契約(全部で18件)などを遂行する。
欧州は、「アリアン5」の最後の打ち上げ(2023年7月)以来で自前の衛星打ち上げ能力を失っていたが、1年前のアリアン6の初打ち上げに続いて、2024年末には小型ロケット「ヴェガC」の2年ぶりの打ち上げ成功で、本格的な復帰を果たした。ヴェガCは今年に2回打ち上げを成功させており、合計では今年にこれまでで4回の打ち上げを終えた。ただ、米スペースXの快進撃(月間平均10回)と比べると見劣りがする。打ち上げペースの加速が当面の課題となる。