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集合住宅の倒壊防止で新規制が施行に

集合住宅の倒壊防止等を目的とする新規制がこのほど施行された。2024年4月の法律の施行令が8月12日付で官報上に公示された。

新規制の制定は、2018年11月に発生した南仏マルセイユ市内のドーバーニュ通りにおける建物倒壊事件に端を発している。この事件では住民8人が死亡した。老朽化した建物が倒壊するリスクに関する意識を高めるきっかけになった。その4年後には北仏リール市でも市街地内の建物が突然倒壊する事件が発生しており、危険性を改めて印象付けていた。

2024年4月に制定の対策法は、市町村による対策推進を容易にする一連の新規制を持ち込んでいる。施行令の制定により、市町村は、対象区域を設定した上で、区域内の集合住宅の堅牢性に関する診断の実施とその結果の提出を所有者らに義務付けることが可能になった。老朽化した建物が多いことや、土壌の性質といったいくつかの基準に基づいて対象区域の設定はなされる。市町村の請求から18ヵ月以内に、所有者(区分所有組合含む)は、診断を実施してその結果を通知しなければならない。診断の結果を踏まえて、市町村は、追加監査の実施などの強制措置を講じることができる。診断は対象区域内の建物について、建設から15年後と、その後は10年ごとに実施するのが義務付けられる。診断を行う業者の資格や、独立性の確保に関する規定も定められた。

KSM News and Research