プラスチックリサイクルによる透水性敷石を製造するベンチャー企業PurpleAlternative Surfaceが本格的な量産に取り組む。エリクール市(オートソーヌ県)にある工場に160万ユーロの設備投資を行い、2026年の生産開始を予定する。
同社は、これまで焼却か埋設以外の処分方法がなかった種類のプラスチック廃棄物を原料に、透水性のある敷石パネルを製造する技術を開発。フランスで開催される「ワールド・インパクト・サミット」(2024年度)で特賞を受賞した。パネルは施工が容易で、駐車場や歩道などに利用できる。人工被覆化のネットゼロを義務付ける新法への適合化に向けた需要が期待できる。
同社は2024年に47万ユーロの売上高を達成。生産は下請けに委託しており、現在は1時間につき3平方メートルのペースでしか製造できないが、新工場は、1時間につき20平方メートルの生産レートを達成。原料の廃プラスチックは年間6000トンをリサイクルできる。受け入れた廃棄物は破砕の上で溶解し、射出成型で敷石パネルを製造する。単一の工程で廃棄物処理からリサイクル品の製造までを実行できる。新工場への全投資額は、今回の分も含めて400万ユーロに上る。
同社は現在、従業員数が18人で、このほかに下請け企業で40人程度が勤務している。2024年にはスエズ(環境サービス)などから800万ユーロを調達。2025年はじめに本社をベルフォールからエリクール市に移転した。アルセロールミタル(鉄鋼)の工場跡地に進出してパイロット生産ラインを整備した。リサイクルルートの確立と運営、 そしてリサイクル品の製造の両面でビジネスモデルを確立するのが課題となる。