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漫画の人気に陰り、再ブームは来るか

新刊本の季節である秋の新学年開始を前に、仏経済紙レゼコーは8月19日付で日本の漫画の出版状況に関する記事を掲載した。

2024年に日本の漫画の仏発行部数は3600万部を記録。これは前年比で370万部減と、この数年は減少が続いている。漫画の販売は新型コロナウイルス危機を境に大きく増加。現在ではフランスで第5の出版ジャンルとして定着した。コロナ危機前の2019年には1700万部で、現在は2倍以上に増えている。ただ、一時のブームは去り、2023年からは販売の目減りが続いている。現在の状況について、大手出版社のグレナは、「このまま安定するか、再び増加するか」の二択だとみている。同業のKi-Oonはより強気で、新たな成長のサイクルがこれから始まる可能性が高いと考えている。フランスでの足元のブームは、「NARUTO ナルト」や「ワンピース」など大作の人気が支えたが、その「ワンピース」も終局に差し掛かり、一段落する局面を迎えた。いつまでも続く大作は飽きもくるし、途中で読むのをやめたりもする。お小遣いだって続かない。より最近の人気作品だと、「呪術廻戦」や「鬼滅の刃」など、いずれも30巻以内で完結しており、回転の速い商品投入ができれば、集金マシーンをぐるぐる回せる期待もある。出版社はまた、アニメ化を機とする二巡目の販売にも期待している。ネットフリックスのユーザーの半数以上はアニメをよく見ると回答しており、ARCOM(放送等監督機関)の調査では、「アニメか漫画をよく消費する」が全体の42%だったのに対して、「アニメをよく見る」は38%と、漫画よりむしろ主流という結果が出ている。

KSM News and Research