パリ郊外ショワジールロワ市内のセーヌ川で4体の遺体が発見された件で、司法当局は8月24日、住所不定の21歳の男性に「連続殺人」の容疑で予審開始を通告した。予審は、担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き。容疑者は引き続き勾留される。
この容疑者、モンジ・Hは北アフリカ系の不法滞在者で、3年前からフランスに滞留していた。本人はアルジェリア出身を名乗っているが、警察の調べではチュニジア出身の可能性が高いという。容疑者は、セーヌ川沿いの同性愛者らの「発展場」として知られる場所の付近に野宿をしており、性的傾向の問題が犯行の動機である可能性があるが、本人が黙秘を続けていることもあり、詳細は判明していない。
4人の遺体は8月13日に、付近を通過する通勤列車の乗客が車窓から見つけて警察に通報したことをきっかけに発見された。その後の調べでは、死亡者のうち2人は20代の北アフリカ系男性で、容疑者と同じく住所不定だった。このほか、ショワジー市に居住する21歳の男性(アルジェリア人)と、近隣のクレテイユ市に住む48歳のフランス人男性が死亡した。遺体のうち2体には絞殺されたことを示唆する痕があった。
報道によると、容疑者は8ヵ月ほど前からこの場所に住み着くようになった。容疑者は5日時点で職務質問を受け、その後に遺体で発見されることになる被害者らの携帯電話等を所持していたことから取り調べを受け、13日の時点で、国外退去命令を受けた者を収容する施設に収監されていた。押収された携帯電話からは、容疑者と被害者の間に面識があったことを示すデータ(自撮り写真など)が残っており、容疑者は被害者の電話や決済カードを使用するなどしていた。同性愛者差別を理由とする犯罪を含めて、捜査当局は事件の背景と動機について容疑者を追及する構え。