バイルー首相は、下院での内閣信任投票を予告後、メディア露出を強めて精力的にキャンペーンを展開している。9月8日に下院で行われる信任投票では信任拒否が決まるものと予想されているが、首相は、投票の行方は決まっていないとして、議員らの説得は可能とする見方を少なくとも表向きは示している。
首相は28日には経営者団体MEDEFの夏季集会で演説し、財政立て直しと債務問題への取り組みが急務であることを力説。政府はこの機会に、富裕税(ISF)の復活を否定し、生産活動に影響する増税も否定するなど、経営者側の主張に理解を示した。MEDEFはバイルー首相を支持している。
バイルー首相は9月1日以降に全政治勢力との協議を開始する意向だが、左翼政党LFI(不服従のフランス)と環境派政党EELVは協議に応じない姿勢を表明している。社会党と極右RNは協議に応じる模様で、バイルー内閣が延命できるとしたら、ここでの説得がカギになるが、落としどころを見つけるのは容易ではないと考えられる。
こうした中で、バイルー首相が「ベビーブーマー」批判を展開したことが注目されている。首相はテレビインタビューの機会に、「ブーマーは何もかもうまくいっていると考えている」と述べて、若い世代が困難に直面しているのを無視して、貢献を拒否しているとの考えをにじませた。戦後生まれのベビーブーマー世代は現在、62-80歳となっており、その65%は年金受給者(又は早期退職者)と推定されている。首相の発言は、年金支給額の改定凍結などに不満を抱く年齢層と、若い世代が対立しているという構図を際立たせるものだが、そのような発言には批判の声も聞かれる。