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フィッチ、仏長期債務格付けを「Aプラス」に引き下げ

格付け大手のフィッチは9月12日夜、フランスの長期債務格付けを引き下げ「Aプラス」とした。「AAマイナス」から1段階引き下げた。格付け見通しは「安定的」とした。

フィッチは2024年10月に、仏長期債務格付けの見通しをネガティブとして、格下げの可能性を検討してきた。今回、バイルー内閣が瓦解し、予算法案の採択の展望が厳しくなったことを踏まえて、格下げを決めたものとみられる。

フィッチは、フランスの公的債務残高の対GDP比が、2024年の113.2%に対して2027年には121%まで上昇すると予測。債務削減に向けて必要な財政赤字の圧縮については、対GDP比で2025年に5.4%への圧縮が実現できたとしてもまだ高過ぎ、3%以内の達成を2029年までに達成できる可能性が遠のいたと指摘している。

フィッチによる格下げは市場の予測通りであり、短期的には仏長期金利が大きく動く可能性は低い。長期金利は既に格下げを織り込んだ水準に上昇して、イタリア並みに達しており、スペインとポルトガルを上回っている。ちなみに、フィッチによるスペインの格付けは「Aマイナス」、ポルトガルは12日に「Aマイナス」から「A」に格上げされたが、いずれも格下げ後のフランスより低く、イタリアは「BBBプラス」とさらに低い。フランスに関する市場の足元での評価は「BBB」並となっている。

格付け大手では、ムーディーズが10月24日に、SPが11月28日にフランスの長期債務格付け見直しを発表する予定で、格下げ決定が続く可能性がある。

KSM News and Research