欧州投資銀行(EIB)は9月17日、仏タレス(防衛電子)に4億5000万ユーロの融資を付与したと発表した。同行は、欧州連合(EU)の軍備強化への協力を去る3月に約束しており、それに沿った融資案件となった。
融資は2027年末までになされる。タレスはこの資金を利用して、民生用及び軍用の両方に利用できる航行のセキュリティ及び効率性改善の研究開発を行い、次世代のソフトウェアおよびレーダーの開発を進める。タレスが欧州投資銀から融資を得るのはこれが初めて。欧州投資銀としては、セキュリティ・防衛部門向けの過去最大級の融資となった。
タレスでは、研究員3000人とエンジニア3万人が研究開発部門に従事している。年間の研究開発投資額は42億ユーロに上る。欧州投資銀は、欧州連合(EU)の金融機関として、軍備増強に協力することを決定。融資先選定の基準を緩和し、防衛・セキュリティ部門への資金供給を2倍に増やすことを目標に掲げている。2025年には、ファイナンス総額の3.5%に相当する35億ユーロを同部門向けに供給する予定。EUでは、ロシアの脅威に備えた軍備増強が課題として認識されており、うちNATO加盟国は、トランプ米大統領の要求にも沿って、国内総生産(GDP)の5%を防衛費とすることを目標に定めている。