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欧州委、ライブ翻訳機能を巡るアップルの要求を却下

欧州委員会は9月19日、アップルに対して、欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)の新型iPhoneに関する法解釈について通知した。アップル側の要求を退ける判断を下した。

アップルは、新型iPhoneに搭載されたライブ翻訳機能について、純正イヤホンAirpods Proでのみ使用可能としているが、欧州委はこれについて、他社製のイヤホンでも使用可能とするよう、修正を命じていた。アップルはこれを不当として抗議していたが、欧州委はこの抗議を却下した。

アップル側は、ライブ翻訳機能が端末内で実行可能で、サーバーに依存しないため、データ保護の点で先進的だと主張。他社製のデバイスがアクセスする音声データの保護とセキュリティを確保する技術開発が追い付かなかったとして、純正イヤホンのみでの使用を認めるよう求めていた。アップル側は、互換性の確保は知財権を無償で譲り渡すことに等しいとも主張。アップルはさらに、競合各社はDMAをたてに端末のWiFi接続ログのデータ開示なども求めており、これは、ユーザーの位置情報などを漏洩させることにつながり危険だと主張。データ保護の理念と相いれないDMAの解釈は本末転倒であるなどと主張したが、欧州委はアップルの主張を退けた。アップルは欧州市場において、iPhoneのライブ翻訳機能の提供を中断している。

KSM News and Research