ノルマンディー地域圏は9月23日、TER(ローカル線)の運行委託先を決める入札で、RATP(パリ交通公団)子会社のRATPデブを選定したと発表した。RATPデブは、カーン発着の約10路線(シェルブール、レンヌ、クタンスなど行き)の運行を、2027-37年の期間について請け負う。正式な契約は12月中に結ばれる見通し。 対象となる路線は合計で、ノルマンディー地域圏における鉄道旅客輸送の15-20%を占める。入札は旧来の独占事業者である国鉄SNCFとの間で争われたが、地域圏側によると、RATPデブの提示は、金銭面と雇用面のいずれにおいても優れていたという。RATPデブは2028年より運行を70%増やすことも約束しているという。 TER(ローカル線)の自由化では、旧来の独占事業者SNCFに対して、トランスデブとRATPデブが挑戦者として争っている。トランスデブ(独レトマン子会社)は、先に移管が完了したマルセイユ・ニース路線に加えて、ナンシー・コントレクセビル路線の運行受託契約も獲得した。RATPデブの契約獲得もこれが2件目。ただ、挑戦者の2社とも、利益率を考慮して、選別の上で入札には慎重に応じている。これに対して、SNCFは、専用子会社を設立してすべての入札に加わり、従来よりも厳しい就労条件によりコスト節減を図り、契約を維持するという作戦で対抗しているという。