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仏日刊紙ルパリジャン巡りアルノー一族内に対立

仏高級ブランド大手LVMHを率いる富豪のアルノー一族が、傘下の仏日刊紙ルパリジャンの扱いをめぐって分裂している。仏日刊紙リベラシオンが9月27日付で報じた。グループの中核ブランドであるルイヴィトンの中国での人気が低下し、トランプ関税がコニャック大手ヘネシーの業績を圧迫するなど、LVMHの事業環境はこのところ悪化しており、コスト削減が課題となっている。そうした中で、赤字経営が続くルパリジャンを売却するかどうかを巡り、ベルナール・アルノー氏(LVMHのCEO、フランス最大の富豪、76歳)の子どもたちの間で見解が分かれており、同氏の後継者争いも絡んだせめぎ合いが展開されている模様。

ルパリジャンは1944年に創設され、フランスの代表的な大衆紙として根強い人気がある。しかし経営は悪化しており、2024年には3400万ユーロの赤字を出した。2026年には赤字額は4000万ユーロに達すると予想されており、2015年にLVMHの傘下に入って以後の累積赤字は3億ユーロに達するとみられる。最近の再編で人員削減を実施したが、経営改善の目処はたっていない。しかしベルナール・アルノー氏は保有資産を手放したがらないことで知られ、同紙の赤字の大きさや改善見込みのなさに苛立ちながらも、売却を躊躇していると言われる。

KSM News and Research