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ユーロ圏のインフレ率、9月は2.2%に加速

欧州連合(EU)の統計局は10月1日の速報で、ユーロ圏の9月のインフレ率を2.2%(前年同月比)と発表した。6月から8月まで欧州中銀(ECB)の目標である2.0%に落ち着いていたインフレ率が、9月に加速したのは、エネルギー価格の低下ペースが鈍化したことが主な原因。エネルギー価格は8月には前年同月比で2.0%の低下を記録していたが、9月には低下幅が0.4%となった。エネルギーを除いたインフレ率は5月から2.5%に安定している。食品・アルコール・タバコ価格は8月に3.2%の上昇を記録した後、9月には3.0%上昇。非エネルギー工業製品価格の伸びは8月と同じ0.8%。サービス料金の上昇率は8月の3.1%に対して9月には3.2%となった。エネルギーと食品・アルコール・タバコを除いたコアインフレ率は2.3%で、4月から変わっていない。

国別では、主要4ヵ国のいずれでも9月のインフレ率は8月を上回ったが、ドイツが2.4%、スペインが3.0%を記録した一方で、イタリアは1.8%とECB目標値を下回り、フランスは1.1%とデフレ傾向が続いている。

こうした情勢で、エコノミストの多くはECBが9月の前回理事会会合に次いで、10月30日の次回会合でも政策金利を据え置くと予想している。インフレが予想外の動きを見せたり、トランプ関税の悪影響が鮮明になる場合を除けば、年内に新たな利下げはないとの見方が強い。ラガルド総裁やレーン・チーフエコノミストの最近の発言も据え置きを示唆するものと受け止められている。

KSM News and Research