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サンゴバン、新戦略プランを公表

仏建材大手サンゴバンは10月6日、2026-30年を対象とする戦略プラン「Lead&Grow」を発表した。

新プランは、住宅向け建設材料以外の製品(データセンターや医療施設等を含む住宅以外の建物、インフラ)を成長の柱に据えている。既に、過去5年間にこれら事業が全体の売上高に占める割合は、30%から33-35%へと拡大しているが、2030年時点でこれを40%まで引き上げることを目指す。同社は、住宅向け建設材料の市場規模を2500億ユーロ、それ以外の製品の市場規模を同じ2500億ユーロと推定。後者については、インフラ向けが700億ユーロ、それ以外を1800億ユーロと推定している。同社の現在の年商は150億ユーロだが、2026-30年の期間には年間5%の増収(現地通貨建て)の達成を目標に設定(2021-25年は3-5%)。地理的には、仏国内市場の需要停滞もあり、成長の大きい北米、ラテンアメリカ(主にメキシコ、ブラジル)、アジア太平洋(主にインドとオーストラリア)に注力する方針で、これら地域が全体の年商に占める割合を、期間中に50%から60%程度にまで引き上げることを目指す。

有機的成長と企業買収の両方について、期間中には合計で120億ユーロの投資を予定。投資額は2021-25年の100億ユーロからかさ上げされる。企業買収は、大手としてのポジションを固めることができる案件や、成長市場向け、そしてインフラ建設向け化成品に対象を絞り込む。その一方で事業構成の見直しも継続し、売上高で20%強に相当する事業を入れ替える(2021-25年には40%)。営業利益率は、2021-30年の13-15%に対して、15-18%を目標とする。2030年までの株主還元は80億ユーロ程度を予定する。 新プランに対する市場の反応は冷ややかで、サンゴバンの株価は6日に3.44%の下落を記録した。なお、同日には、ルコルニュ首相辞任の発表を受けて、パリ市場CAC40指数は1.36%の後退を記録した。

KSM News and Research