ノンアルコールワインの成長が著しい中で、ボルドー地方のソーテルヌ・ワインのシャトー、シガラ・ラボーはソーテルヌとしては初めて、ノンアルコールワインを製造した。日刊紙ルフィガロはその出来栄えを賞賛している。
ソーテルヌはいわゆる「貴腐ワイン」として知られる甘味の強い白ワインで名高い。シガラ・ラボーは老舗のシャトーとしては冒険的で、6代目の社長を務めるロール・ドランベールコンペイロ氏は、オリジナルの風味を残してノンアルコール化に成功した他社の製品に出会い、自らも製造に乗り出すことを決めた。30度真空蒸留が決め手になると見極め、その技術を持つModerato社との提携で初めてのノンアルコールのソーテルヌを製造した。試飲したルフィガロ紙の記者は、香りがよく残り、舌触りは軽く、ノンアルコールであることを感じさせない出来栄えだと推奨している。
ワインの消費が全体的に後退する中で、ノンアルコールワインは流行のアイテムとして人気が上昇している。米Fact.MR(市場調査)は、世界市場が2033年まで毎年10%の成長を遂げて、同年には50億ユーロ規模に達すると予想。コンコルド広場に接する高級ホテルの給仕係によると、今では注文の20%をノンアルコールが占める。宗教的な背景もあるのだろうか。シガラ・ラボーは初年分として5650本を製造し、2026年に29.90ユーロの価格で売り出す予定。樽醸造が2ヵ月と通常のワインより短くて済み、その分はコストを節減できるが、脱アルコール工程で1リットルにつき26ユーロセントの費用が発生するという。この工程では15%の目減りも生じるといい、その分も費用となる。全体としては、しかるべき量が売れるなら、コスト面では問題がないという。