欧州の大手銀行が加わるコンソーシアムが結成された。共同でステーブルコインを発行する。
コンソーシアムには、BNPパリバ(フランス)、サンタンデール(スペイン)、ドイツ銀行、バークレイズ(英国)、UBS(スイス)など欧州の大手銀行が加わっている。このほかに、米大手のバンカメ、シティ、ゴールドマンサックス、カナダのTDバンク、そして日本のMUFGも加わる。報道によると、コンソーシアムは手始めにドル連動のステーブルコインを発行。ユーロ連動や英ポンド連動などのステーブルコイン発行に進む可能性もあるという。
フランスでは、大手銀行のソシエテジェネラルがステーブルコインでは先行している。ユーロ連動のステーブルコインを2023年に子会社を通じて発行。去る6月には、ドル連動のステーブルコインも発行した。ソシエテジェネラルは今回のコンソーシアムには加わっていない。その一方で、伊ウニクレディトや西カイシャなど欧州9銀行によるコンソーシアムが別途、9月に結成され、ユーロ連動のステーブルコイン発行で協力することを決めている。
トランプ米政権が暗号資産を後押しする法令を制定する中で、欧州でもユーロ連動ステーブルコインの発行拡大を求める声がある。フランス中銀のビルロワドガロー総裁は9日にパリで開かれたフィンテック・フォーラムの機会に、ドル連動だけでなくユーロ連動のステーブルコインにも注目するよう、欧州の銀行に呼びかけている。欧州中銀(ECB)の側では、「デジタルユーロ」導入をドル連動ステーブルコインへの対抗手段として有効だと捉えている模様。