政府が提出した予算法案には政治的に波乱含みの措置が多数含まれている。ルコルニュ内閣が不信任案を乗り切ったとしても、国会審議においてすんなりとは通らない可能性が高い。
社会保障会計予算法案には、患者の自己負担増に関する措置が含まれている。診察料の自己負担(1回2ユーロ)、医薬品の自己負担(1箱につき1ユーロ)、タクシーによる患者移送の自己負担(4ユーロ)が2倍に引き上げられ、さらに自己負担の年間上限(50ユーロ)も2倍に引き上げられる。これらはバイルー前内閣が予告していた措置だが、これに加えて、歯科治療や医療機器の購入等、これまで自己負担枠が設定されていなかった項目も適用対象となる。患者移送には別建ての年間上限を高めに設定し、全体として、患者の自己負担の年間上限は350ユーロまで引き上げられる。これらの措置には、左派と極右の両方が国会審議で抵抗を示すことが予想される。
地方自治体に対して国が求める赤字節減努力は46億-47億ユーロとなり、これは、バイルー前内閣が示していた53億ユーロに比べると低い。それでも自治体側は強く反発しており、これも予算案審議における火種となる恐れがある。