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ユーロスター、アルストムに新型高速列車30本を発注

仏国鉄SNCF傘下のユーロスター(英仏海峡トンネル経由など国際高速鉄道運行)はこのほど、仏アルストム(鉄道機器)に高速鉄道の新型列車30本を発注した。20本のオプションも付帯し、総額規模は20億ユーロに上る。2035年頃までに30本の引き渡しが完了する予定。

ユーロスターは欧州諸国で新路線の開拓を含めた事業拡張を計画している。新列車の導入で、既存路線の輸送力も強化しつつ、成長戦略を支える。新列車は2階建てで、SNCFが来る4月にも運用を開始する予定の新型列車「TGV M」の派生バージョンとなる。2031年までに6本を、続いて2035年頃までに残りの24本が引き渡される予定。新型車両は座席数が30%増となり、2本連結の輸送力は1080人と、現行最大の894人を上回る。新型列車の配備が完了すると、保有機材は51本から67本へ増強される。新路線の展開に加えて、英仏海峡トンネル経由の路線への参入を計画する競合に対して抗う姿勢をアピールする。新型列車は既存列車に比べて20-50%の節電も達成される。

アルストムはTGV Mの引き渡しで大きな遅れを出した。今回の契約は、新規契約ではなく、SNCFとアルストムが結んだ大枠契約の修正による追加発注という形になり、新規扱いではないことから、引き渡しが他の契約に対して優先されるという利点があるのだという。アルストムの側でも国内工場への投資などを通じて生産体制の増強を図る。

KSM News and Research