下院の社会問題委員会で社会保障会計予算法案の審議が続けられている。酒税の増税につながる一連の措置が採択されており、酒造業界が懸念を強めている。
委員会では、まず、酒税の従量課税額のインフレ率並み改定に関する修正案が採択された。現在、インフレ率並みの改定では、年間の引き上げ率が1.75%を上限とする旨が定められているが、修正案はこの上限を撤廃する内容で、物価動向によってはさらに高い引き上げが行われることになる。このほか、加糖飲料とアルコールの混合飲料(プレミックスと呼ばれる)への上乗せ課税の対象が拡大され、従来の上限である度数12%が25%にまで引き上げられた。
これ以外でも、否決にはなったがアルコール関係の増税提案は多い。その中には、左翼勢力が提出した「年商1000万ユーロ以上の企業によるアルコール飲料の広告投資を対象にした3%課税」などが含まれる。
アルコール課税強化を主張する勢力は、社会保障会計の財源確保と、飲酒抑制のための価格引き上げを理由に掲げている。これには、啓蒙と教育が伴わない限りは効果がないと指摘する向きもある。ワイン業界の関係者らが作る団体「バン&ソシエテ」は、酒税を引き上げて得られるのは農村荒廃だけだと非難している。