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V.Biotech、コーヒーかすの有効利用目指す

仏V.Biotechは、コーヒーグラウンズ(コーヒーかす)の有効利用の技術を開発、生産開始を目指している。

同社は2022年に発足。マルヌ県ランス市郊外にあるCEBB(バイオテク・バイオ経済欧州センター)発のベンチャー企業。超臨界二酸化炭素抽出法という、コーヒー豆からカフェインを抽出する際などに利用されている手法を用いて、コーヒーグラウンズから油分を除去した上で、残りの高付加価値の物質を、医薬品、化粧品、機能食品等の分野の企業に原料として供給する。自動車や食品加工業向けの用途も開拓する予定。

同社はまだ売上高を達成していない。この10月末にはプレシリーズAラウンドで60万ユーロを調達。現在はシリーズAの300万ユーロの調達(うち150万ユーロを株式発行により確保)を準備している。開発済みの技術により少量生産に着手して製品の供給を開始する。既に欧州で複数の顧客(社名は未公表)を獲得しているという。原材料となるコーヒーグラウンドの確保では、仏ヴェオリア(環境サービス)と提携し、1万トンの供給を取り付けた。

2026年春にはランス市にある1200平方メートルの新社屋に入居する予定で、スペースに余裕があるので、ベンチャー仲間のバイオテク2社としばらくは共有の形にする。従業員数は現在の7人を2026年には10人余りに増やす。本格的な量産段階への移行では、シェール県ビエルゾン市に工場を建設する計画で、そのために必要な資金調達は2026年から2027年にかけて行う(700万ユーロ)。年間1万-3万トンのコーヒーグラウンズを処理できる工場を2028年頃に開所することを目指す。

KSM News and Research