企業向けペイメントサービスの仏エデンレッドは11月4日、2025-28年の戦略プランを発表した。技術を中心に18億ユーロを投資し、2030年までに売上高を30億ユーロ(2025年)から50億ユーロへ増やすことを目指す。
エデンレッドは、フランスで「ティットル・レストラン」(企業が福利厚生を目的に従業員に支給する食事券)を出発点として、企業向けのペイメントの各種サービスに幅広く進出。「ティットル・レストラン」事業は売上高の40%と、過半数を割り込んでいる。部門別の売上高の内訳は、「ティットル・レストラン」を含む福利厚生が69%、フリート管理が23%、決済ソリューションが8%となっている。
同社はここまで、15億ユーロの投資を行い、決済ソリューションのインフラの拡充を進めた。1日につき700人の新規ユーザーを吸収できる体制が整ったといい、これを足場に顧客獲得に力を入れる。現在は、世界44ヵ国に進出し、6000万人のユーザーを数えるが、今後は、顧客獲得と並行して、ユーザー1人当たりの収入の引き上げ(現在の年間46ユーロを2030年時点で70ユーロへ)も目指す。2028年までの期間に予定する18億ユーロの投資は、データやAIなど新技術を中心に行い、収益力強化の切り札とする。
EBITDA増益率は、2028年までの期間に年間平均8-12%を目指すが、2026年は例外的に2-4%と低めの予測を採用。これは、イタリアで福利厚生食事券に係る手数料収入規制(上限の引き下げ)が導入されたためで、2026年に6000万ユーロ相当のマイナスの影響を及ぼすという。