仏ユービーアイソフト(ゲームソフト)は11月13日夜、同日に予定していた2026年3月期の上半期(4-9月期)業績の発表を延期すると発表した。同社はそれに伴い、自社の株式及び債券の取引を14日より中断するよう、パリ株式市場を運営するユーロネクストに申請した。取引中断は業績が発表されるまでの間、継続される。業績発表の日程については追って発表するとした。
ユービーアイソフトは業績不振を背景に経営が迷走。去る3月の時点で、中国の大手テンセントの協力を得た立て直しプランを公表し、それ以降は小康状態を保っていた。テンセントとの合意は、ユービーアイの3大タイトル(Far Cry、アサシンクリード、レインボーシックス)のライセンス事業を担う新会社を設立し、ユービーアイが75%、テンセントが25%を出資するという内容だった。今回の突然の業績発表延期の理由は一切明らかにされておらず、この計画が当局の承認取得に失敗して年内の実施予定を達成できなくなったのではないか、第三者による突然の買収提案を受けたのではないか、会計報告書を検証する上で問題が発生したのではないか、など様々な憶測が浮上している。
ユービーアイソフトの株価は低迷が目立っており、この1ヵ月間では20%を超える下落を記録し、時価総額は2013年以来で初めて、10億ユーロの大台を割り込んでいた。3月末に発売のアサクリ新作シャドウズが足元で失速していることや、2026年3月期中に主要タイトルの発売がないことなどに投資家らは失望している。