仏化粧品大手ロレアルは11月17日、中国のスキンケアブランド「Lan(蘭)」に出資したことを明らかにした。出資率や金額は公表されていない。
ロレアルは数ヵ月前には、スキンケアに強い中国のCHANDO(香度)の7%株式を取得したことを明らかにしていた。中国コスメへの2件目の出資を矢継ぎ早に明らかにした。
ロレアルのイエロニムスCEOは、中国が自社にとって第2の市場であるばかりでなく、イノベーションの重要なハブでもあるとして、未来を見据えて中国に投資すると説明。中国企業への少数出資には、中国市場に関する理解を深め、イノベーションの現状を把握する足場を確保するという意味がある。
Lanは2019年に杭州で発足。女性創業者のDing Xiaolan氏が29%程度の株式を維持している。エッセンシャルオイルが主力商品で、東洋の植物を用いた製品で世界展開を目指している。この点でロレアルの支援を期待できる。 ロレアルは1997年に中国に進出。現在は世界売上高の19%近くをアジア北部で達成しており、中国には工場2ヵ所も展開、1万人超を直接雇用している。近年は中国の現地ブランドの追撃も厳しさを増しており、中国市場(1463億ドル規模)において、現地ブランドのシェアは55.2%にまで上昇した(2024年)といわれる。経済の停滞もあってロレアルも中国市場で苦戦していたが、4-6月期には3%の増収率を達成し、成長に復帰した。7-9月期の増収率は5%を記録している。