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ル・スリップ・フランセ、国産Tシャツの生産を開始

国産にこだわる衣類ブランド「ル・スリップ・フランセ」が、国産Tシャツの生産に乗り出した。中国のファストファッション大手SHEINを意識し、十分に競争力がある価格帯で提供し、量産化により利益を確保することを目指す。

ル・スリップ・フランセは男性用下着の国産で事業を開始し、パリ郊外オーベルビリエ市の工場(47人が勤務)で日量3000枚を生産している。同工場に機械設備を導入してTシャツの生産も開始した。国産Tシャツ「Fier(T)」は、1枚7.9ユーロ(税抜き)で、企業や団体、公的機関向けに販売する。ロゴ入れや文字・デザイン等をあしらった製品を注文に応じて供給する。既に、男性用下着を取り扱っている協力先であるシステムU(食品小売大手)から受注を得て製造が開始された。

同工場では、縫製スタッフを、作業になれたタイ人や中国人のコミュニティ(地元のセーヌ・サンドニ県に多く居住)から確保。法定最低賃金(SMIC)より25%高い賃金をオファーしており、Tシャツだと50%のコストを人件費が占めることになる。同社は、2028年時点で日産5万枚、年間1300万枚の量産を目標に設定。これは国内需要の3%という規模になる。この目標を達成できれば、価格は1枚6.9ユーロ(税抜き)まで引き下げられ、これはポルトガル生産と同じ水準となる。

KSM News and Research