英大手銀行HSBCは12月1日、仏ミストラルAIと多年次契約を締結したと発表した。ミストラルAIの生成AIを社内に導入する。契約額は未公表。
HSBCは、自動処理、生産性向上、顧客サービスの改善を目的として生成AIを導入する。同行は、2020年に米AWS(アマゾン傘下)とクラウド・ソリューションに関する提携を結んでおり、AIについても、不正検出やコンプライアンス確保、取引の追跡などを目的とする導入実績がある。今回の提携では、ミストラルAIの生成AIツール開発プラットフォームを導入し、ミストラルのエンジニアのチームの派遣を得て、社内用のソリューション開発と展開を進める。同行の世界1万人程度の従業員の全体が利用可能な各種ソリューションを開発。顧客との連絡など営業面のアシスト(翻訳機能の提供含む)、与信審査のアシスト(顧客の財務分析等)といった機能を開発・提供し、従業員のルーティンの軽減を図る。ミストラルAIは特に、HSBCの社内のシステム内ですべての処理を行い、データを外部に持ち出さない方式で役務を提供し、情報の保護に配慮する。 ミストラルAIは法人向け事業に特に力を入れており、去る4月には仏海運大手CMA CGMから5年間で1億ユーロ規模の契約を獲得。それまでにも、仏BNPパリバ銀行、仏保険大手アクサなどから契約を獲得している。